閉鎖病院 前編
内容紹介
水野麻由は、青島総合病院の新人看護婦。今日からは看護婦として仕事だけに生きることを決意していた。青島総合病院には、石神英太郎という大物議員が入院していた。石神は地位を利用して、次々と担当の看護婦を食い物にしている悪質患者だった。すでに病気も治り、退院してもいいのだが、居心地のいいこの病室に居座ってしまっている。病院側も暗黙の了解で見過ごし、看護婦からもいつ担当が自分の番になるか恐れられていた。麻由が初出勤すると、同僚の看護婦達は冷たい視線を麻由に注いでいた。「かわいそうに」「初日そうそうあいつの看護だなんて」所々から看護婦達のヒソヒソ話が麻由の耳に入ってくる。何のことか全くわからない麻由。そこへ先輩看護婦・青柳さつきがやって来て、病院内を案内してくれることになった。その途中、廊下で麻由たちは医師・服部克己と研修医・二村俊介とバッタリと出会う。麻由と二村は元恋人同士。お互いにこの病院に勤めることは知らなかったので、その場で口喧嘩が始まってしまう。しかし、二村はさつきに気付くと、麻由には目もくれず、鼻の下を伸ばしてデレデレしてしまう。それを見た麻由は、怒りがおさまらない…。